子供の箸トレーニングは、2〜3歳ごろをひとつの目安に始められます。ただし年齢だけで決める必要はなく、スプーンやフォークを安定して使える、指先を動かせるなどの準備ができているかで判断することが大切です。
箸を使い始める時期には個人差があります。2歳で練習を始める子もいれば、3〜4歳ごろから無理なく取り組む子もいます。嫌がる場合は一度中断し、手指の発達や食事の様子を見ながら再開しましょう。
箸トレーニングを始める目安
次の項目がいくつかできるようになったら、箸の練習を始めるタイミングです。
- スプーンやフォークを手首や指で調整しながら使える
- 食器を押さえながら食べられる
- 親指、人さし指、中指を使った細かな動きができる
- 小さな物を指でつまんで移動できる
- 食事中に椅子へ座っていられる
- 大人の箸の持ち方に興味を示す
- 本人が箸を使ってみたいと言う、または触りたがる
これらが十分にできていなくても、箸に触れたり、持ってみたりすること自体はできます。ただし、箸先をうまく動かせない段階で無理に正しい持ち方を求めると、食事や練習を嫌がる原因になることがあります。
年齢ごとの進め方
2歳ごろは箸に慣れることから始める
2歳ごろは、いきなり食べ物をつかませるのではなく、箸を持つことに慣れる段階です。箸を持ってみる、開閉してみる、箸で大きめの物をつつくといった遊びから始めます。
この時期は、正しい持ち方や食べ物をつかむことを完成させようとしなくても問題ありません。食事ではスプーンやフォークを使い、箸は短時間の練習にとどめる方法でも十分です。
3歳ごろは持ち方と開閉を練習する
3歳ごろになり、手指を細かく動かせるようになってきたら、箸の持ち方や開閉を練習します。まずは下の箸を固定し、上の箸だけを動かす感覚を覚えると、箸先を動かしやすくなります。
最初から食事のすべてを箸で食べる必要はありません。つかみやすい物を数回つまんだら、残りはスプーンやフォークに戻してもよいでしょう。
4歳以降は食事で使う時間を少しずつ増やす
4歳以降は、子供の様子を見ながら箸を使う時間を増やします。ただし、年齢が上がれば必ず正しく使えるとは限りません。手の大きさや指先の動き、本人の興味によって進み方は変わります。
箸で食べることに疲れたり、食事に時間がかかったりする場合は、スプーンやフォークを併用して構いません。食事を楽しめることを優先しましょう。
子供の箸トレーニングの進め方
練習は、食事中に長時間続けるよりも、短時間で終わらせるほうが取り組みやすくなります。次の順番で進めると、子供が動きを理解しやすくなります。
- 子供の手に合う箸を用意する。長すぎたり重すぎたりする箸は動かしにくいため、子供が持ったときに扱いやすいサイズを選びます。
- 箸を1本ずつ持つ練習をする。まずは鉛筆を持つように1本を持ち、親指、人さし指、中指で動かす感覚を確認します。
- 2本の箸を正しい位置に置く。下の箸は薬指の付け根付近で支え、上の箸は鉛筆を持つように持ちます。大人が手を添える場合は、強く握って形を固定しすぎないようにします。
- 箸先を開閉する。食べ物をつかむ前に、上の箸だけを動かして開閉する練習をします。
- 大きくてつかみやすい物を使う。最初は滑りにくく、ある程度の大きさがある物を選びます。小さすぎる物や滑りやすい物は、慣れてからにします。
- 食事の一部だけで箸を使う。最初は1〜3回つかめたら終わりにするなど、成功したところで切り上げます。
- できた動作を具体的にほめる。「上の箸を動かせたね」「自分でつかめたね」のように、結果だけでなく動作を伝えます。
最初に練習しやすい食べ物
練習には、箸先で挟みやすく、つぶれにくい食べ物が向いています。大きさや硬さは、子供が安全に食べられる状態に調整してください。
- 一口大にした柔らかい野菜
- 短く切った麺類
- つかみやすい大きさの豆腐や卵焼き
- 滑りにくく、子供が普段から食べ慣れている物
小さな豆、丸い食品、硬い食品、滑りやすい食品は、箸に慣れてからにします。食べ物を箸で口へ運ぶ途中に落としても、失敗ではありません。練習中は大人が近くで見守りましょう。
箸の持ち方を教えるときのポイント
箸の持ち方は、言葉だけで説明するより、大人がゆっくり見本を見せるほうが伝わりやすくなります。子供の手を無理に動かすのではなく、持つ位置を整えたあと、自分で動かす時間を作りましょう。
上の箸と下の箸を同時に動かしてしまう場合は、まず1本だけで練習します。下の箸を動かさず、上の箸だけを上下させる感覚が分かると、2本で挟む動作につながります。
左利きの子供も、利き手で練習できます。右手で持つように無理に直す必要はありません。大人が正面から見本を見せるときは、子供と向かい合うより、隣に座って同じ向きで見せると分かりやすくなります。
箸トレーニングが進まないときはどうする?
箸を嫌がる、食事に時間がかかる、手が疲れるといった場合は、練習をいったん短くするか、スプーンやフォークに戻します。箸の練習を毎日の課題にせず、本人が興味を示したときだけ行う方法もあります。
補助機能が付いたトレーニング箸は、箸に興味を持つきっかけになる場合があります。一方で、商品によって持ち方や指の動かし方が異なるため、補助箸だけで練習を終えず、通常の箸へ移行する時期も子供の様子を見て判断します。
箸を使うことだけでなく、粘土をこねる、洗濯ばさみを動かす、指で物をつまむといった遊びも、手指を使う経験になります。箸がうまく使えないときは、こうした遊びを取り入れながら時間を置くとよいでしょう。
子供の箸トレーニングは「年齢」より「準備」が目安
子供の箸トレーニングは、2〜3歳ごろを開始の目安にしながら、スプーンやフォークの使い方、指先の動き、本人の興味を見て始めます。正しい持ち方をすぐに完成させる必要はありません。
最初に行うことは、子供の手に合う箸を用意し、1本で動かす練習から短時間で始めることです。嫌がるときは無理に続けず、食事はスプーンやフォークも使いながら、子供のペースで進めてください。







